トマトは初めは観賞用だった!栄養豊富なトマトの種類や主な生産地は?
生食はもちろんのこと、煮込み料理やソースなどと幅広く使える食材のトマト。また、トマトは夏野菜の代表格であり、栄養価が高い野菜と言えます。
トマトの栄養素や見分け方などを押さえておき、メニュー作りに活かしていきましょう。この記事では、トマトの特徴や歴史、種類、選び方、主な生産地などについて解説していきます。
トマトは食用ではなく観賞用だった!
トマトの原産地は南米アンデスの高地で、ナス科トマト属に分類される1年生の果菜です。
トマトはイタリアやスペインでは煮込み料理やサラダなど、料理に広く使われている野菜のひとつです。また、トマトの種類は非常にたくさんあります。
色は、赤色系や桃色系、グリーン系のものなどがあり、とてもカラフルです。実の大きさも大粒から小粒のものまで種類が豊富であり、世界には数え切れないくらいの種類があるといわれています。
さらに、日本でトマトは6~8月が旬の時期といわれていますが、1年中食べることが可能です。
もともとトマトは食用ではなく、観賞用として扱われてきました。トマトが広まったのは16世紀頃のことです。
トマトは果実が真っ赤であることから、はじめは毒性があると思われており、なかなか普及することはありませんでした。
トマトが食用として認知されたのは17世紀頃のことで、栽培されるようになったのは19世紀以降になってからです。日本では、トマトは江戸時代に渡ってきて、栽培されるようになったのは明治時代以降という歴史的背景があります。
βカロテンがいっぱい!トマトの栄養素
トマトは緑黄色野菜のひとつであり、βカロテンを多く含む野菜です。βカロテンは抗酸化力を持つ栄養素で、美肌効果や粘膜を健康に保つ効果があります。加えて、βカロテンは体内では必要に応じてビタミンAとなり、免疫力の向上や抗酸化作用などに役立ちます。
βカロテンのほかにも、トマトにはリコピンやルチンが豊富に含まれています。リコピンとはトマトの赤い色素であり、強い抗酸化作用を持ち、血流を良くしたり生活習慣病を防いだりする効果が期待される天然色素です。加えて、ルチンは血液をサラサラにしてくれ、生活習慣病を予防してくれます。
トマトはほかにも、さまざまな栄養素がバランスよく含まれている野菜です。
トマト100gあたりには、βカロテン540 mcg、カリウム210 mg、ロイシン25 mg、アスパラギン酸71 mg、グルタミン酸240 mgが含まれています。
加えて、リシン25 mg、リノール酸24 mg、葉酸22 mcg、リン26 mgなどの栄養素がトマトには含まれているため、栄養をテーマにしたメニュー作りにも役立つ食材です。
おいしく食べるためのトマトの見分け方
トマトの選び方のコツを押さえておくと、よりおいしく味わうことができるようになります。
トマトは旬の時期が最も美味しくなりますが、種類や使い方によって選び方が異なります。たとえば、サラダなどでトマトを生食として使う場合は、ピンク系のトマトを選ぶことがポイントです。
ピンク系のトマトは、特に大玉トマトに多い傾向にあります。大玉トマトを選ぶ際には、ヘタが青くてしっかりとしているもののほうが鮮度は高いといわれています。
実の部分が赤くみずみずしく見えても、ヘタがしおれていたり、黒ずんだりしているものは、鮮度が落ちている証拠と言えるでしょう。加えて、新鮮なトマトを選びたいなら、ひび割れていないかどうかや、形がよく赤い色が均一に入っているかどうかチェックしておきたいところです。白い放射線が入ったトマトは特に味が良いものです。
一方、煮込み料理などでトマトを加工して食べる場合は、赤色系の熟したトマトが適しています。たとえば、イタリアントマトやミディトマトなどは、加工や加熱して食べるときには向いている種類です。ミディトマトを選ぶときにも、ヘタが青くてみずみずしいものを選ぶことがポイントです。
さらに、ミディトマトの場合は形がきれいな球体に近いもので、大玉トマトよりも濃い赤色が全体に広がっているものが良いでしょう。色むらのないミディトマトのほうが、よりみずみずしく美味しいと言えます。
色もサイズも豊富!トマトの種類
トマトは種類が豊富な野菜であり、日本国内にあるものだけでも40種類以上といわれています。まず「桃太郎」は日本で流通している一般的なトマトで、大粒である点が特徴です。
桃太郎の発売は1985年で、ピンク系のトマトとして知られており、スーパーなどで出まわっている大玉のトマトのほとんどが桃太郎の系列品種です。
桃太郎はピンク系だけでなく、黄色の桃太郎ゴールドなどの種類も見られます。次に、ミディトマトは、大玉とミニトマトを交配させてできたもので、1粒あたり50g前後のサイズである点が特徴です。栄養価は大玉よりも高く、皮や果肉がしっかりとしています。
続いて、調理用トマトとは調理用に開発された種類のものを指しており、実がしっかりとしていて煮込んでも煮崩れしないという点が特徴です。果肉が厚いことから、調理用トマトをカットした場合でも水分が流れ出ることはありません。
加えて、ソプラノトマトは比較的果肉は薄いものの、実はしっかりとしている品種のトマトです。ソプラノトマトは赤く熟してから収穫しても鮮度を維持しやすいという特徴があるため、輸送しやすいというメリットが見られます。
さらに、フルティカトマトは糖度が高い品種として知られています。フルティカトマトに関しては1年中栽培でき、サラダなどの生食だけでなく、加熱調理にも向いている品種です。
ほかに、ミニトマトは5~30g程度の小ぶりなサイズのもののことをいい、栄養価は通常のトマトよりも高いといわれています。
ミニトマトの色は赤やイエロー、グリーン、オレンジなどと豊富にあります。加えて、マイクロトマトは直径がおよそ1cmの小さなトマトで、2000年頃から出まわりはじめた新しい品種です。
マイクロトマトには真っ赤なものやオレンジの実があります。発祥は愛知県で、サラダなどで生食する場合の彩りに向いています。
1位は熊本県!トマトの主な生産地
国内のトマトの主な生産地は、熊本県・北海道・愛知県です。
2017年の生産量を見ていくと、1位が熊本県で約3万2000トン、2位は北海道で約1万6000トン、3位は愛知県で約1万4000トンとなっています。続いて、4位は宮崎県で約9000トン、5位は茨城県で約7700トンです。
トマトを購入するときには、生産地も確認してみましょう。