お茶や料理で楽しめる!アーティチョークがスーパーフードと呼ばれる理由

スーパーフードとして注目を集めている食材のひとつに、アーティチョークがあります。日本では家庭料理としての馴染みは薄い食材ですが、レストランでは使われることも多い食材です。
そんな、アーティチョークはなぜスーパーフードと呼ばれているのでしょうか。この記事では、アーティチョークの歴史や特徴、栄養価や選び方、美味しい食べ方などについて詳しく解説していきます。
アーティチョークの主な特徴や原産地
アーティチョークは、和名では「朝鮮アザミ」とも呼ばれている、キク科チョウセンアザミ属の食材になります。原産国は地中海沿岸や北アフリカで、ハーブに分類されているのです。
食用として使うのは、10~15cmほどに育った若いつぼみの部分です。つぼみは独特な形をしているのが特徴で、ガクがうろこのように重なっている独特な姿です。
アーティチョークは、緑色のものと紫がかったものがありますが、日本で出回っているのは緑色のものがほとんどです。加熱することでホクホクとした食感になり、イモやそら豆、もしくはユリ根と似たような食感を味わえます。
味はほんのりとした甘みがあり、こちらもユリ根やそら豆と似通っているといえるでしょう。旬の時期は春で、良く出回るのは5~7月ごろです。
アーティチョークの生産が多い国としては、イタリアやスペインをはじめ、ペルー、エジプト、アルゼンチンなどが挙げられます。
日本で販売されているアーティチョークの多くは、イタリアやフランス、アメリカといった国からの輸入品です。
しかし、数は少ないですが国内でも生産しているため、国産品のアーティチョークを入手することも可能です。
日本に初めて渡来したのは江戸時代!
アーティチョークの原種は、カルドンという野生の大きなアザミだといわれています。イタリアでは、9世紀ごろから栽培されたとされていますが、改良がなされ始めたのは15世紀からだという文献が残っているのです。
そののち、フランスやスペインにもアーティチョークが渡って、移民によ
ってアメリカ大陸にも伝えられました。
改良により食用や観賞用として多くの種類のアーティチョークが作られており、ヨーロッパを中心に海外では広く親しまれているのです。
瓶詰めのアーティチョークもあるなど、家庭料理でもよく使われるポピュラーな食材でしょう。
アーティチョークが日本に渡来したのは江戸時代だといわれています。
古くから日本に伝わっていたアーティチョークですが、普及はしませんでした。
そのため、アーティチョークの認知度はあまり高くないといわれています。
日本でアーティチョークが普及しなかった理由としては、国内栽培が少ないことが挙げられるでしょう。アーティチョークは、日本では栽培条件が合わないため、生産する農家が少ないのです。
関東を中心にして少量の栽培農家はありますが、全国的に見ると非常に生産量が少なく、希少な食材となっています。
アーティチョークは栄養豊富なスーパーフード!
アーティチョークは、非常に栄養が豊富に含まれている食材です。そのため、スーパーフードとしても注目を集めつつあります。
まず、アーティチョークは食物繊維が豊富で、ファイバーフードと呼ばれることもあるのです。
その栄養価はごぼうの約1.5倍となっています。また、野菜のなかでは珍しく、約60%が水溶性食物繊維となっているのです。
そのほかにも、さまざまな栄養素を含んでいます。肌の調子を整えるビタミンA、糖質からエネルギーを生産し粘膜などの健康を保つビタミンB1、ビタミンB2、筋肉や血液を作る際に働くビタミンB6といった、体を動かすために必要なビタミン群がバランスよく含まれているのです。
抗酸化作用がありストレスへの抵抗力を高めるビタミンC、同じく抗酸化作用の高いビタミンE、骨の健康維持に不可欠なビタミンKも含んでいます。
ビタミン群だけではなく、代謝に関係の深いナイアシン、パントテン酸、葉酸もあります。
カリウム、マグネシウム、ナトリウム、マンガン、カルシウム、リン、亜鉛、銅、鉄といったミネラル類も含んでおり、体に必要な栄養素がひとつの食材で摂れることからスーパーフードと呼ばれているのです。
アーティチョークのカロリーは、生の場合には100グラム当たり48キロカロリーと低カロリーの食材です。
加熱した場合にはわずかにカロリーが減り、100グラムあたり45キロカロリーになります。
アーティチョークの食べ方や保存方法
日本では馴染みの薄いアーティチョークですが、さまざまな楽しみ方のできる食材です。まず、アーティチョークは乾燥させてお茶として飲むことができます。
アーティチョークは水溶性食物繊維が多く含まれているので、お茶にして飲むことで便秘解消効果などが期待できるのです。
ハーブに分類されていますから、お茶にしても飲みやすいのが特徴でしょう。もちろん料理に使うことも可能です。グリルやサラダ、煮込み料理や炒め物、パスタなどに使うのが向いています。
アーティチョークは可食部が非常に少ないのも特徴です。
一般的には、ガクの根本と「ハート」や「ボトム」と呼ばれる芯の部分を食べることになります。そのため、全体の80%は捨てる部分になるのです。
アーティチョークの調理法には、丸ごと茹でるといった方法があります。
まず、ガクの先端が刺さるため、あらかじめつぼみの先をカットしておきましょう。
柔らかそうに見えますが、とても固い食材なのでカットする際には気をつけて行います。その後、レモン汁を入れたお湯で30~40分茹でて、串がスッと入るぐらいの固さになったら取り出しましょう。
ガクを一枚ずつはがして、下の白い部分を歯でしごくようにして食べる方法もあります。この際、上の部分は固いので廃棄しましょう。ガクを剥がしていくと、花びらになるワタが出てきますが、こちらは食べられないのですべて取り除き、その下にあるボトム、もしくはハートを食べましょう。
アーティチョークはあまり日持ちしない食材です。そのため、できるだけその日のうちに食べきってしまうのが理想的です。保存する場合には、ラップかポリエチレン製の保存袋などで保護し冷蔵庫に入れておきます。
保存期間の目安は2~3日程度でしょう。