エディブルフラワーは種類豊富で奥が深い!基礎知識や仕入れ方法を紹介

エディブルフラワーを深く知ることは、料理の可能性を広げることにつながります。いわゆる食用花のことで、料理に彩りを添えるだけでなく栄養価の高さにも魅力があります。
この記事を読めば、ただの彩りだけに終わらないエディブルフラワーの特徴や種類、使い方や仕入れ方法などについて知ることができます。
より喜ばれる料理とは何か、新しいこだわりの料理創作に役立ててください。
種類豊富なエディブルフラワーの基礎知識
「エディブルフラワー」とは食べられる花と訳される通り、毒性のない、生でも食べられる食用花全般を指します。カリフラワーやミョウガなども実はそのひとつで、一般の家庭に並ぶこともしばしば。
彩りはもちろん、その高い栄養素ゆえに西洋では果物や野菜と同じ感覚で食されており注目を集めています。
ただし、同じ種類でも園芸用に栽培され農薬が使われた花もあるので、農林水産省が定めたガイドラインに基づいて、食用として栽培されたもののみ安全に食べることができます。
日本におけるエディブルフラワーの主な産地は愛知県豊橋市で、2019年現在では実に約90%のシェアを占めています。
エディブルフラワーには2種類のタイプがあり、ハーブティーやクッキーなどに乗せて使うことが多い「ドライタイプ」と、サラダや天ぷら、ケーキなどに使われる「生花タイプ」があります。
ドライタイプはさらに押し花タイプか、または花の形をそのまま保った自然乾燥タイプの2種類に分けられることがあります。
エディブルフラワーとして食べられている花は約70種類あり、使用するタイミングによって豊富な種類から選択することができます。
日本でも昔から食されてきたサクラやキクのほか、母の日の代名詞カーネーション、幸せの象徴クローバー、紅茶としても愛されているカモミールなど、世間一般的に名の知れている花がエディブルフラワーとしても活躍しています。
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実はエディブルフラワーは栄養も豊富!
料理やスイーツの彩りや香り付けに飾ることができるからという理由だけではなく、その栄養素が野菜や果物にも引けを取らないほど豊富であることからも高い注目が集まっているエディブルフラワー。
見た目の美味しさだけではなく、身体にも美味しい魅力がたくさん詰まっています。いくつかのエディブルフラワーについて、100gあたりの栄養素を例に見てみましょう。
・カーネーションのAカロチン:530ug、ビタミンB1:0.06mg、ビタミンB2:0.1mg、ビタミンC:78mg、カルシウム:47mg、鉄分:1.5mg、リン:64mg、カリウム:228mg、食物繊維:2.3g
・カレンジュラのAカロチン:9400ug、ビタミンB1:0.10mg、ビタミンB2:0.15mg、ビタミンC:24mg、カルシウム:33mg、鉄分:1.9mg、リン:63mg、カリウム:410mg、食物繊維:1.3g
・スナップドラゴンのAカロチン:270ug、ビタミンB1:0.05mg、ビタミンB2:0.1mg、ビタミンC:250mg、カルシウム:54mg、鉄分:0.7mg、リン:31mg、カリウム:219mg、食物繊維:0.9g
・ナスタチウムのAカロチン:1900ug、ビタミンB1:0.08mg、ビタミンB2:0.1mg、ビタミンC:91mg、カルシウム:22mg、鉄分:1.4mg、リン:57mg、カリウム:390mg、食物繊維:0.8g
・バラのAカロチン:640ug、ビタミンB1:0.02mg、ビタミンB2:0.11mg、ビタミンC:120mg、カルシウム:46mg、鉄分:1.3mg、リン:67mg、カリウム:251mg、食物繊維:3.4g
・パンジーのAカロチン:1200ug、ビタミンB1:0.08mg、ビタミンB2:0.2mg、ビタミンC:130mg、カルシウム:32mg、鉄分:1.4mg、リン:65mg、カリウム:360mg、食物繊維:2.1g
・ダイアンサスのAカロチン:990ug、ビタミンB1:0.09mg、ビタミンB2:0.2mg、ビタミンC:53mg、カルシウム:96mg、鉄分:3.6mg、リン:85mg、カリウム:370mg、食物繊維:2.3g
・プリムラのAカロチン:110ug、ビタミンB1:0.04mg、ビタミンB2:0.12mg、ビタミンC:230mg、カルシウム:53mg、鉄分:1.3mg、リン:50mg、カリウム:420mg、食物繊維:1.4g
さらに比較対象として、野菜や果物の数値を見てみるとエディブルフラワーの栄養が豊富なことに気づきます。
・ブロッコリーのAカロチン:810ug、ビタミンB1:0.14mg、ビタミンB2:0.2mg、ビタミンC:120mg、カルシウム:38mg、鉄分:1mg、リン:89mg、カリウム:360mg、食物繊維:4.4g
・レモンのAカロチン:7ug、ビタミンB1:0.07mg、ビタミンB2:0.07mg、ビタミンC:100mg、カルシウム:67mg、鉄分:0.2mg、リン:15mg、カリウム:130mg、食物繊維:4.9g
・トマトのAカロチン:540ug、ビタミンB1:0.05mg、ビタミンB2:0.02mg、ビタミンC:15mg、カルシウム:7mg、鉄分:0.2mg、リン:26mg、カリウム:210mg、食物繊維:1g
このように、栄養素によっては野菜や果物と比較してもエディブルフラワーのほうが群を抜いて高いことがわかります。エディブルフラワーを野菜の代用として飾り付けしたり、果物と一緒に盛り付けたりしても何も遜色ないでしょう。
むしろ場合によってはさらに魅力的な料理に仕上げることができるのも、エディブルフラワーの魅力のひとつと言えます。
エディブルフラワーの使い方と注意点
エディブルフラワーを安全に美味しく使うためには、その保存期間や保存方法のほか、使用するうえでの注意点を知っておく必要があります。
正しい使い方を知ることで、美味しさを最大限引き出すことができます。
前述のとおり、エディブルフラワーには生花とドライタイプの2種類があります。生花は主にサラダや料理、フルーツの彩りとして使用され、ドライタイプは焼き菓子などに使用されることが多いです。
生花の保存期間は2~5日程度と長持ちはせず、生野菜と同じ感覚で扱われます。乾燥が弱点のため、湿らせたキッチンペーパーなどの上に載せてから、ラップを被せて湿度を保ちつつ野菜室で保管すると、瑞々しい鮮度を保つことができます。ドライタイプの場合は保存期間が長く、状態によって約1年は保存が可能です。
エディブルフラワーを使用するうえで、気を付けたい点もいくつかあります。
エディブルフラワーのなかには観賞用として花店や園芸店で売られているものと同じ種類のものもいくつかありますが、観賞用と食用の花では使用している農薬の種類や量など栽培過程が異なるため、誤って観賞用の花を使用しないように注意が必要です。観賞用の花は誤って口にすると、嘔吐や中毒などの原因になる場合もあります。
また、エディブルフラワーに似た花弁や葉をもつ植物のなかには、毒性をもつものもあります。必ずエディブルフラワーとして流通している、品質の確かな食用のものだけを使うようにしましょう。
エディブルフラワーを安全に購入するには?
では、エディブルフラワーと観賞用の花を混同せず、品質の確かなものを安全に購入するにはどうするべきでしょうか。確かな安全があると言えるのは、栽培農家から直接購入する方法です。
ただ、現実的なことを考えると、シェフ自ら足を使って、自分に合う栽培農家を探すのは時間も体力も使ううえに、値段交渉などにも骨が折れます。
そこで有効なのが、品質のよいエディブルフラワーを栽培している農家と繋いでくれるサイトを利用するという方法です。
登録料や利用料が無料なうえに、農家から直接食材を仕入れることができるので、直接会うのと変わらない関係性を構築しながら、安全で新鮮なエディブルフラワーを手に入れることができます。