2019.06.17

ケールが先祖のキャベツはビタミンが豊富!レア品種や産地を紹介!

  • FACEBOOK
  • Twitter
  • LINE
丸ごとキャベツの画像

キャベツは手ごろな価格で一年中出回っており、生食から炒め物までさまざまな調理法で食べられる使い勝手の良い野菜です。

いろいろな種類があり、品種によって旬の時期が異なりますので、それぞれの特徴を理解して使い分けることで、より美味しく食べられるでしょう。ここでは、キャベツの特徴や種類、栄養素、主な生産地などを説明していきます。

日本のキャベツは葉ボタンから始まった

キャベツはアブラナ科に属する野菜で、日本名で甘藍(かんらん)や玉菜(たまな)と呼ばれることもあります。葉が重なって球のようになるのが大きな特徴でしょう。

日本で一般的に出回っているキャベツは葉や葉脈の部分を食べますが、茎や花を食べる品種もあります。

紫キャベツ(レッドキャベツ)や芽キャベツといった品種や、葉ボタンのように鑑賞用として栽培される品種も存在します。

キャベツの先祖にあたるのはケールです。日本では青汁の原料として知っている人も多いでしょう。原産地は地中海沿岸で、学名をブラシカ属オルラケアといいます。

これはケルト語からきている言葉です。もともとはケルト人がケールの栽培をして、ヨーロッパ中に広まったと伝えられています。

古くは薬草として食されていました。日本に入ってきたのは江戸時代のころで、観賞用の葉ボタンが最初です。明治時代以降、西洋文化が広まり西洋料理が知られはじめるようになると、食用キャベツが栽培されるようになりました。

冬ビタミンを始めキャベツには栄養素がいっぱい

キャベツは多くの栄養が含まれている野菜です。なかでも、ビタミンCやビタミンKが多く含まれます。ビタミンCはコラーゲンの生成に必須で、肌の調子を整えるサポートをするほか、風邪やストレスへの抵抗力を高めるのにも役立つ栄養素です。ビタミンKは血液の凝固因子や骨の形成を促す働きがあります。

また、胃腸薬の名前で有名なキャベジンは、キャベツ固有の栄養素です。キャベジンとはビタミンUのことで、胃腸の粘膜を健康に保つ働きをします。

また、紫キャベツの色はアントシアニンによるものです。アントシアニンはブルーベリーなどに豊富に含まれるポリフェノールの一種で、目に良いとされています。

キャベツ100gに含まれる栄養素の含有量は次の通りです。
中玉サイズのキャベツの葉が1枚50~60g程度ですので、100gはおよそ1枚半~2枚になります。

カロテン 50㎍ / ビタミンE 0.1mg / ビタミンK 78㎍ / ビタミンB1 0.04mg / ビタミンB2 0.03mg / ナイアシン 0.2mg / ビタミンB6 0.11mg / 葉酸 78㎍ / パントテン酸 0.22mg / ビタミンC 41mg / ナトリウム 5mg / カリウム 200mg / カルシウム 43mg / マグネシウム 14mg / リン 27mg / 鉄 0.3mg

色々なキャベツの画像

リゾットにも?ユニークな食べ方や保存方法

キャベツは、そのまま生でサラダなどにして食べることもできますし、炒め物や煮物にも向いています。

春キャベツは葉が柔らかくみずみずしいため、炒めるとべちゃっとしがちです。短時間でさっと炒めると良いでしょう。

煮物はロールキャベツやポトフが定番でしょう。スープにもよく合います。紫キャベツはサラダなどで食べられることが多いですが、リゾットに入れるのも良いでしょう。アントシアニンの鮮やかな色がついた、ユニークな一品になります。

保存するときは、丸のままだと長く持ちます。軸の部分をくりぬいて水分を含ませたキッチンペーパーを詰め、袋に入れて野菜室に入れましょう。

水分を逃さないように密封するのがポイントです。キッチンペーパーはそのままにせず、ときどき新しいものに交換することが必要です。
切り口が空気に触れると酸化して色が変わりますので、カットする場合はなるべく切り口が最小限になるようにしましょう。

キャベツを使った料理の画像

意外と奥が深い!キャベツの種類

一般に出回っているやや平たい品種のほかにも、キャベツにはさまざまな種類があります。たとえば、グリーンボールや紫キャベツ、芽キャベツ、サボイキャベツなどです。

グリーンボールは通常のキャベツよりやや小ぶりで、球体に近い形をしています。葉が柔らかくて厚みがあり、ほのかな甘みがあるのが特徴です。栄養素が豊富で、通常のおよそ2倍の量を含むとされています。

キャベツには寒玉や春系、ボール系などの種類があり、グリーンボールはボール系の代表品種です。5~6月に旬を迎えます。

紫キャベツは通常のキャベツより小ぶりで、葉が表も裏も紫色です。
この紫色はアントシアニンによるもので、煮ると溶け出す性質があり、煮込み料理などに使用すると煮汁が紫色になります。さまざまな産地があり一年中出回っていますが、主に夏と冬が旬です。

サボイキャベツはちりめんキャベツとも呼ばれ、その名の通り葉が縮れています。
通常のキャベツよりも水分が少なく硬めなため、生食にすると食べにくいでしょう。なお、サボイキャベツの由来はフランスのサボイ地方で栽培されていることによります。ヨーロッパで馴染みの深い野菜です。

芽キャベツは一口サイズのキャベツで、一本の茎に50個ほどの実が生ることから、日本では子持ち甘藍などとも呼ばれています。
芽キャベツという名前から誤解されることがありますが、通常のキャベツの「芽」ではなく、れっきとした品種のひとつです。

キャベツの原産地はベルギーで、日本には明治時代に入ってきました。通常のキャベツより硬めで少し苦みもあるため、料理の際は下茹でしたほうが良いでしょう。シチューなどの煮込み料理によく使われます。高温や湿気に弱いため冬が旬です。

キャベツ畑の画像

日本国内の主なキャベツの生産地

キャベツは全国的に栽培されている野菜です。
2017年度の調査では、キャベツを生産していないのは、山形や栃木、新潟、奈良、高知の5県のみでした。全国の総生産量は142万8000トンに及びます。そのなかで、最も生産量が多いのは群馬県の約26万トンです。

次いで、2位が愛知県の約24万5000トンで、3位に千葉県の約11万1000トンが続きます。
4位は茨城県で約11万トン、5位は神奈川県で約7万6000トンです。

ただし、収穫時期によって生産量の順位は異なります。たとえば、冬は愛知県が主な生産地となりますし、春は千葉県や神奈川県、茨城県が多く、夏秋は群馬県や北海道、長野県が多いです。

丸ごと1個のキャベツの画像

関連記事