2019.06.20

原産地はインド?栄養も満点で色や形が豊富ななすの選び方や生産地は?

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なすのイメージ画像

なすは漬物にしたり焼いたり、蒸したり揚げたりさまざまな調理法でおいしく食べられる定番の野菜です。色や形も豊富で、和洋中どんな料理にも合う使いやすい食材です。

今回は、たくさんの品種のなすの特徴や生産地、栄養素や選び方、どのような料理に合うかなどについて解説します。料理ごとになすの種類を使い分けてなすのおいしさを最大限に引き出しましょう。

日本には奈良時代から!なすがおいしい時期は?

なすは、ナス科ナス属に分類される一年草で原産地はインド東部という説が有力です。

本来は多年草ですが、日本では越冬が難しいことから一年草の扱いになっています。英語では、たまごのような形をした植物という形容でEggplantと名付けられています。Eggplantとは、たまごのような植物という意味です。
たしかに、米なすに見られる丸いふっくらしたイメージは、まさにたまごのようでもあります。

しかし、原産地やその周辺では緑や白いものも多く一見してなすとはわからないバラエティに富んだものがたくさんあります。

大きさも3cmほどの小さなものから長さが40cm程度になるものまで、細長いものから球状の丸いものまで実にさまざまな品種に枝分かれして普及しました。スーパーなどではいつでも入手できますが、市場に多く出回るのは5~10月頃です。そのうち、旬の時期は夏で7~8月頃が一番おいしいと言われています。

なすの誕生は歴史が古く、紀元前からインド東部で栽培されていたといわれています。

その後は中国や東南アジア、中東からヨーロッパへと東西に広がったのです。日本に伝わった時期は定かではありませんが、古い書物では奈良時代には栽培されていたことがわかる記録が複数残っています。

なすの花の画像

なすの色素はポリフェノールの一種のナスニン

市場やスーパーでなすを選ぶときはできるだけ新鮮なものを選びましょう。

鮮度が高いなすの見分け方は、なすの皮が十分に張りのあるもの、表面にツヤがあり果肉がしまっているものが新鮮ななすです。また、ヘタにトゲがあるものは、ピンと立っていて触るとチクッと痛みを感じるくらいのものが新鮮です。
対して、皮に張りがなくシワシワで持ったときに重みが感じられないものは、収穫から日が経ち、水分が抜けて中がスカスカしている可能性があります。
そのようななすは、果肉に黒い斑点が目立ち味も良くありません。

日本国内では、中長なすが一般に多く流通しています。しかし、ほかにもさまざまな種類があり、さまざまな料理で利用されているのです。そこで、日本でも手に入るなすの種類を紹介します。

#中長なす
一般的に市場で一番多く流通しているなすです。大きさは13~15cm程度、皮の色は濃くツヤのある黒紫で、家庭でも馴染みのあるなすでしょう。皮も果肉もちょうど良いやわらかさで調理しやすく、煮物や揚げ物など何にでも使える利用範囲の広いなすです。

#長なす
上の中長なすよりも長く、20cm以上になるものもあります。皮はやや硬めですが果肉は柔らかです。焼きなすや炒め物、煮物にも向いています。40cmから60cmにもなる巨大な「大長なす」を栽培しているのはほとんどが九州です。円筒形のため均一に火が通りやすい特徴があり焼きなすに向いています。

#丸なす
ボールのような丸い形が特徴のなすです。京野菜でおなじみの加茂なす、奈良の大和丸なす、長野の小布施丸なす、新潟の魚沼巾着なすなどがあります。焼き物や揚げ物のほか、煮物や田楽、漬け物などに利用します。

#小なす
3〜8cm程度の小ぶりのなすで、丸やたまごの形をしています。この形のまま漬けられた小なすの漬け物を見たことがある人も多いでしょう。皮がやわらかいので中まで味が染み込みやすく、浅漬けにもピッタリです。ちび丸、民田、梨なす(黒十全なす)などが代表的な品種です。

#米なす
アメリカの大きななすの品種を日本で改良したものが米なすです。皮の色は濃い黒紫色をしています。皮も果肉も硬めなので荷崩れしにくい特徴を生かし、煮物などによく使われます。ほかにも、焼き物、田楽などに利用されますが、生で使う漬け物には向いていません。

#水なす
大阪泉州地方の特産物として知られるのが水なすです。その名の通りみずみずしく皮も果肉もやわらかいのが特徴です。水分を多く含みアクが少なく味に甘みがあり生で食べられます。この特徴を生かして漬け物にするのが一番おいしく食べられるでしょう。スライスしてサラダにしたり生ハムやチーズと合わせたりして前菜にするのも美味しいです。

#白なす
ツヤのある乳白色が特徴的なホワイトベルとも呼ばれているのが白なすです。完熟しても皮が白いままでヘタだけが緑色です。果肉も真っ白ですが、アク抜きをしないとすぐに茶色くなってしまいます。白色を生かした料理なら塩水でのアク抜きが欠かせません。皮はやや固めですが果肉はみずみずしく、揚げ物や炒め物に向いています。

#青なす
緑なすとも呼ばれる種類で、皮が薄い緑色や緑色なのが特徴でヘタも緑色です。地域により、白なす、緑なす、翡翠なすとも呼ばれています。皮は硬めですが、加熱することにより果肉が柔らかくなり、焼きなすや田楽でおいしく食べられます。米なすよりも大きいものや、細くて長いタイプなどもありますが、基本的には加熱調理がおすすめです。

なすとその他野菜の画像

全国的に栽培されているなす!主な生産地は?

なすは夏が旬の野菜ですがハウス栽培などで栽培に適した環境にすることにより、年間を通して長く収穫ができる野菜です。

特に高知県では温暖な気候を活かしたハウス促成栽培が盛んで、2017年度の農林水産省の作物統計データでは日本一の生産量約4万2000トンが作られています。

次いで、2位の熊本県では約3万1000トン、3位の群馬県で約2万4600トン、4位の福岡県で約2万1000トン、5位の茨城県では約1万8000トンが生産されています。

なすとソーセージ炒めの画像

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