2019.06.20

日本が発祥の小松菜は栄養も満点!上手な選び方や生産地は?

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小松菜の画像

現代の日本で料理に使われている野菜は実に多彩です。海外が原産のものも多いなか、日本発祥の野菜として小松菜があります。

小松菜はお吸い物やお味噌汁、漬物などのほか、炒め物にも使うことができるなど、調理方法もバリエーション豊かです。そこで今回は、小松菜の歴史や栄養素などについて詳しく説明するとともに、上手な選び方や生産地についても紹介します。

小松菜は江戸時代の日本で開発された野菜

小松菜はアブラナ科アブラナ属の植物で原産地は日本です。
同じアブラナ科アブラナ属の野菜には、ほかにもカブやキャベツ、ブロッコリー、からし菜などおなじみの野菜もあります。

また、日本の食卓でも一般的になった中国野菜のチンゲンサイやタアサイも同じ仲間です。小松菜は味に癖がないことが特徴で、汁物やおひたし、漬物、炒め物など幅広い料理に使うことができます。

小松菜は葉を食べる野菜であるため、花が咲かないうちに収穫してしまうのが通常です。
普段食材としてしか見ていなければあまり意識することがないかもしれませんが、そのまま収穫せずにおくと、花茎が伸びて花を咲かせます。春の味覚として味わえる菜花も同じアブラナ科アブラナ属で、小松菜をはじめアブラナ科アブラナ属の野菜は黄色い菜の花と同じような花を咲かせるのです。


本来は11~3月が旬で寒さには強く、霜にあたることで甘みを増します。とはいえ、全国でハウス栽培されていることから市場には季節に関係なく出回り、一年中食べることができる野菜です。

小松菜の発祥は日本です。ただし、もともとは中国から入ってきたクキタチナというカブの一種を改良して作り出されたという説もあります。
一般的に食べられるようになったのは江戸時代からだといわれています。盛んに栽培されていたのが東京都江戸川区の葛西や小松川地域だったことから、小松菜と名付けられたのが名称の由来です。

新潟県や福島県、関西地方にも小松菜の仲間と考えられる野菜が散見しているものの、多くは関東エリア中心に栽培されてきました。

小松菜の葉の画像

小松菜は鉄分や食物繊維もたっぷり

小松菜は緑黄色野菜のひとつとしてβカロテンが多く含まれているほか、ビタミンCやビタミンKなども豊富です。

また、カルシウムや鉄分、食物繊維なども多く含まれています。小松菜の葉を茹でた可食部100g当たりの栄養分としては、βカロテンが3100mcg、脂溶性ビタミンの一種であるビタミンKが320mcgです。

水溶性のビタミンB群の一種で妊婦には特に必要とされている葉酸も86mcg、一般的にビタミンAとして知られているレチノール当量は260mg含まれています。
ミネラル分としてはカルシウムが150mg、カリウムが140mg、リンが46mgの含有量です。

また、我々人間を含む生物の体はもともとアミノ酸で作られており、必要な栄養分です。
小松菜にも多くのアミノ酸が含まれています。たとえば、ロイシンが120mg、アルギニンが110mg、バリンとリシンが100mg、アラニンが93mg、イソロイシンが70mgです。また、アスパラギン酸は190mg、グルタミン酸にいたっては260mgも含まれています。

さらに、小松菜は鉄分も豊富な野菜として知られ、ゆでた葉の可食部100グラム中の含有量は2.1mgです。
鉄分が多く含まれている野菜としては、ほかにもほうれん草がありますが、実際には0.9mgで小松菜には及びません。また、小松菜は食物繊維も豊富に含まれている野菜です。水溶性食物繊維が0.6g、不溶性食物繊維が1.8g、食物繊維総量としては2.4g含まれています。

小松菜の茎の画像

鮮度の高い小松菜は?上手な選び方と保存方法

同じ小松菜を使って料理をするなら、できるだけ新鮮でいいものを使いたいものです。
選び方のポイントとして、まず葉をチェックしましょう。小松菜の葉は葉物野菜としては比較的厚みがあり、丸みを帯びているのが特徴です。
そのため、まずは葉がしっかりして丸みがあるものを選びます。春先に出回る小松菜は色が薄めのものもありますが、通常は緑がきれいに出ているものを選ぶこともポイントです。小松菜の茎はほうれん草に比べると太くてしっかりしています。

茎は葉に比べると白いですが、できるだけ白っぽいものよりも緑がかったものを選んだほうが栄養価は高いです。もちろん、全体的にしおれた感じがないかどうかをチェックし、みずみずしいものを選びましょう。

小松菜を買ってきたら、できるだけ新鮮な状態を保って保存することも大切です。
野菜をそのまま放置しておくと、水分が蒸発して乾燥してしまいます。そうならないように、新聞紙などでくるんだ状態でさらにポリ袋に入れて保存することが大切です。その際、新聞紙を軽く水で湿らせておくと水分を逃さず、より乾燥を防ぐことができます。

保存しておく場所は冷蔵庫の野菜室が最適で、本来野菜が畑に生えているのと同じ状態になるよう立たせて保存するといいです。小松菜をはじめとする葉物野菜は、それほど長持ちはしません。2~3日で食べきれない量の場合はさっと固めに茹でて、冷凍保存することも可能です。

一度に使う量などに小分けして冷凍しておくと、あとで料理する際に使いやすいでしょう。

小松菜の葉のアップ画像

1位は茨城県!小松菜の主な生産地

小松菜はもともと主に関東地域で栽培されてきた野菜であることから、現代でも関東や北関東を中心に栽培が盛んです。
なかでも、2017年の調査で収穫量が1位になったのは茨城県で、1年に約1万6000トン生産され、全国約14.6%のシェアを誇っています。
茨城県は海沿いなど年間を通して温暖な気候で、しかも小松菜の栽培に適した土壌の土地が多い県です。また、消費地として大きな割合を占める首都圏にも近いため、小松菜を含む野菜の栽培が盛んに行われています。

小松菜収穫量2位は埼玉県で約1万4500トンです。一方、意外にも3位には九州の福岡県が入りました。

福岡県は水はけのいい土地が多く、気温も小松菜の栽培に適している場所が多く、栽培量が増えてきているのです。4位だった東京都の約8000トンを超え、2017年には約1万トンの収穫量になっています。

ほかにも、主な生産地としては5位に北関東の群馬県が入っており、年間の収穫量は約7500トンです。小松菜は日本国内のおよそ半数の都道府県が生産しており、ポピュラーな野菜だと言えます。

小松菜を切ったイメージ画像あり

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