2019.06.17

日本では明治時代から食べられていた!じゃがいもの種類と生産地

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じゃがいもの画像

明治時代から栽培が始まったじゃがいもは、現代では誰からも好まれる食材のひとつです。和食にしても洋食にしてもよく合うため、じゃがいもを使ったメニューのレパートリーは豊富です。

そこで、じゃがいもの特徴や栄養、種類、主な生産地などを紹介していきます。じゃがいもを使ったメニュー作りの参考にしてみてはいかがでしょうか。

じゃがいもの原産地はアンデスの高地!

じゃがいもはナス科ナス属の野菜で、原産地は南米にまたがるアンデス山脈の高地です。
日本でなじみ深い品種としては、男爵とメイクイーンが挙げられます。品種によって最適な料理は違い、男爵は粉ふき芋やポテトサラダに、メーククインはおでんや揚げ物に適しています。
どちらもスーパーなどで気軽に手を入れることが可能です。寒さに強く土壌を選ばないため、主に北海道で生産されています。

北海道での収穫は秋ですが、九州では春と冬に収穫されるため、一年を通して食べることができるのです。じゃがいもをメインとした料理が多い国としては、ドイツやロシアが挙げられます。

じゃがいもが原産地である南米のアンデス高地から、ヨーロッパに伝わったのは16世紀のことだといわれています。

そして、17世紀以降に栽培が始まり、19世紀の初めにはヨーロッパ全土で食べられるようになったのです。そして、現代ではじゃがいもはヨーロッパの食卓になくてはならない存在になりました。

一方、日本には江戸時代にオランダから長崎の出島経由で入ってきました。
しかし、当初は味が悪かったため鑑賞用として用いられていました。食用としてじゃがいもの栽培が本格的に始まったのは、明治時代に入ってからのことです。実業家としても知られた川田龍吉男爵がじゃがいもを輸入したことが始まりだといわれています。

日本で最初に栽培されたじゃがいもは、男爵いもで「アイリッシュ・コブラー」という品種です。じゃがいもの収穫時期は種芋を植えてから3~4カ月と早く、しかも保存ができるため、重宝されています。

調理法で栄養価が変わるじゃがいも

じゃがいもは栄養素豊富な野菜です。特にビタミンの含有量が多く、熱しても壊れることがありません。そのため、揚げ物にしたり煮物にしたりしても、体内に豊富な栄養素を摂取することができます。

また、糖質類であるでんぷんが多いにも関わらず、さつまいもと比較しても低カロリーです。
良いこと尽くしのように見えますが、じゃがいもの芽や青い部分を食べないように注意しましょう。なぜならば、リコアルカロイドという毒性のある成分が含まれているからです。

リコアルカロイドの摂取量が多いと、頭痛や腹痛を引き起こす場合があるのです。
最悪の場合としては、小さな子ともが死亡してしまった例もあるほどです。調理をするときには、必ず包丁で芽や青い部分を取り除くようにしましょう。

じゃがいもの栄養価は、煮るのか、焼くのか、ゆでるのか、揚げるのかによって変わってきます。一番栄養が高いのが、じゃがいもを油で揚げたときです。参考までにじゃがいもをフライドポテトにした場合の100g当たりの含有量を紹介しましょう。

食物繊維は3.1g、ビタミンKは18μg、ビタミンB1は0.12mg、ビタミンB2は0.06mg、ナイアシンは1.5mg、ビタミンB6は0.35mg、葉酸は35μg、パントテン酸は0.71mg、ビタミンCは40mg、ナトリウムは2mg、カリウムは660mg、カルシウムは4mg、マグネシウムは35mg、リンは48mg、鉄は0.8mgになります。

これらの数値を見ても、じゃがいもをフライドポテトにしたときの栄養価がいかに高いかがわかるでしょう。

たくさんのじゃがいもの画像

日本で手に入るじゃがいもの種類は豊富!

じゃがいもの品種には、いろんな種類があります。じゃがいもは皮によって黄色いタイプと赤いタイプに分かれるため、それぞれに特徴を紹介していきましょう。

まずは、黄色い皮のじゃがいもについてです。
1つ目が男爵いもで、日本で初めて栽培されたことから最もポピュラーな品種です。形は丸くてごつごつしています。

2つ目がメイクイーンで、やや細長くすべすべしています。
栽培されるようになったのは昭和からです。日本では男爵いもとメイクイーンがメジャーで、じゃがいもと言えば、この2つを意味するほどです。

3つ目がキタアカリで、男爵いもとツニカを交配させて作られました。キタアカリは熱を加えると、ホクホクとした味わいになるのが特徴です。

4つ目がこぶりでやや細長いインカのめざめです。原産地である南米アンデスの在来種にアメリカの品種を交配されて作られました。

5つ目が北海道農業試験場で研究・開発されたホッカイコガネで、調理方法はフライドポテトにするのが最適です。

6つ目がシンシアで、交配されたのは昭和ですが、日本に入ってきたのは平成になってからです。調理中、煮崩れがしにくい品種です。

次に、赤い皮のじゃがいもについてです。1つ目がシャドークイーンで、紫いものように見えます。アントシアニンが多く含まれているのが特徴です。

2つ目がフランスで交配されたシェリーで、栽培すると多くの量を収穫することができます。
見た目は小さく、皮は赤いのに中身は黄色です。

3つ目が南米アンデス原産の種類とアーリーローズを交配させたアンデスレッドで、調理時に茹でた状態で崩してみると、淡いピンクに変化します。それぞれの品種の特徴を活かして、調理してみてはいかがでしょうか。

フライドポテトの画像

北海道だけじゃない!じゃがいもの主な生産地

じやがいもの生産地として有名な地域としては、北海道、長崎県、鹿児島県が挙げられます。農林水産省が行った2017年の調査によると、1位が北海道で約188万トンです。

そして、2位が長崎県で約8万8000トン、3位が鹿児島県で約8万6000トン、4位が茨城県で約4万5000トン、5位が千葉県で約3万トンという結果になっています。

以上のことからわかる通り、北海道のじゃがいも生産量は全体の78%超を占めています。

北海道でじゃがいもの栽培が始まったのは明治時代からです。北海道を発展させるために置かれた行政機関である開拓使によって、本格的に栽培されるようになりました。

調理前のじゃがいもの画像

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