2019.07.05
水産

旬で使い分けるイカ!一番おいしい食べ方で味わおう

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海の中のいかの画像

さまざまな食べ方のできるイカは、目にすることの多い食材でしょう。そんなイカは、非常に種類が多いのです。イカの種類によって、味や食感が違うため、調理方法や食べ方ごとに選び分けることが重要でしょう。

この記事では、イカの種類や旬の時期、どのようにイカを選べば美味しく調理することができるのかといったことについて、解説していきます。

種類ごとに異なるイカの旬

イカの種類は膨大で、世界で約450種類ものイカが生息しています。日本近海で獲ることのできる主なイカは7種類程度で、それぞれ旬の時期や特徴が違うのです。

まずは、ホタルイカです。ホタルイカは1~5月に獲ることのできるイカで、発光するイカとしても有名です。通常のイカよりも小さく、主に酢味噌和えや刺身などで食べることができます。

ヤリイカは2~4月が旬のイカで、細長い形をしているのが特徴です。とがった槍のような形をしているため、ヤリイカと呼ばれています。生だと食感が強くさっぱりとした味で、火を通すと柔らかく甘みが増します。そのため、刺身や煮つけ、焼き物などさまざまな調理法に向いているイカなのです。

ケンサキイカは、4~7月が旬となっています。温暖な海域を好むイカで、スーパーなどにはあまり並ばない高級品です。上品な味わいで、刺身などの生食はもちろんのこと、天ぷらなどの火を通す調理法でも美味しく食べることができます。

5~8月に獲れるのがアオリイカです。アオリイカはイカ類の中ではもっとも高級だとされており、人気が高くなっています。甘みが強いことが特徴で、刺身や天ぷらなどで強い甘みを生かした調理法で楽しむといいでしょう。

スルメイカは日本ではもっともメジャーなイカで、5~9月が旬となっています。歯ごたえがよく上品な甘みがあり、どんな調理法にも合うオールマイティーなイカです。シンプルにイカそうめんや焼きイカ、天日で干したするめなどで楽しまれることが多いでしょう。

赤イカは、6~8月に旬を迎えるイカです。赤イカの特徴は、厚みのある身でしょう。冷凍食品や割きイカなどで利用されることの多いイカで、肉厚ながらも柔らかく食べやすいのが特徴です。

10月~4月と幅広い時期に獲れるのがコウイカです。コウイカは、胴体に固い甲があることからコウイカと名付けられました。甘く肉厚で柔らかい身をしているため、刺身や寿司として食べるのもいいでしょう。火を通しても硬くなりにくいため、焼きイカや天ぷら、煮つけなどにも向いています。

このように、1年中いずれかのイカが旬を迎えています。そのため、季節によって旬のイカを使い分けるといいでしょう。

いか焼き画像

刺身は包丁の入れ方で食感が変わる

イカを刺身で楽しむ場合には、包丁の入れ方を意識してみましょう。包丁の入れ方によって食感が異なるのです。イカは、縦方向に切ることで柔らかくなります。逆に横方向に切ると、歯ごたえが残って硬く感じるでしょう。

例えば、するめをあぶって食べるときに手で割くことが多いです。この場合、横方向に割けます。これは、イカの筋繊維は横方向に走っているからです。そのため、縦に切ることで筋繊維を断ち切ることができ、柔らかく仕上がります。柔らかく食べたい刺身の場合には、縦方向に包丁を入れることが重要です。

また、食感を統一させるために、切る方向を揃えることも意識しましょう。

海の中のいか画像2

鮮度を保つにはどうすればいいのか

イカの鮮度を判断するポイントとしては、色が挙げられます。色が薄いものよりも濃くはっきりとしているイカのほうが、鮮度が良いのです。イカはストレスによって色が変わりやすくなっています。

鮮度の良いイカは、黒褐色や赤色の色素胞がはっきりと見えるため、鮮やかで濃い色をしています。しかし、鮮度が落ちてきたイカは色素胞が見えにくくなり白っぽくなってしまうのです。

イカの鮮度を保つためには、釣ってすぐにイカを締めることが効果的です。イカの神経を切断して締めることで鮮度が落ちにくくなります。また、イカは冷凍しても味がほとんど落ちない珍しい食材です。そのため、生ではなく冷凍して保存するのも良い方法でしょう。

しかし、冷凍の仕方によっては鮮度が保てない場合もあります。鮮度を保つためには、氷結晶ができないようにすることが大切なので、急速冷凍しましょう。トレーなどにラップをしき、ラップで包んだイカを重ならないように並べます。凍ったら、ジッパーバッグなどに入れて保存しましょう。

冷凍する際には丸のままではいけません。腐りやすい部分であるワタや墨袋、くちばし、軟骨などを取り除いてから、水分をよく拭きとって冷凍するのが重要です。

下ごしらえにも気を使おう

イカを食べる場合には、下ごしらえにも気を使うことが大切です。まず、イカを冷凍せずに生で食べる場合です。

イカには、寄生虫であるアニサキスが付着している可能性があります。アニサキスによって食中毒が起こる可能性もあるので、調理の際には注意しましょう。

アニサキスは内臓だけではなく、身にも付いている可能性があります。そのため、調理の際には身の表面に格子状に細かな切り込みを入れると安心です。切り込みを入れることで、アニサキスがいるかどうかがわかりやすくなります。

調理法によって下ごしらえの仕方は変わってきます。イカの煮つけや焼いて食べるときには皮付きのままで切ってしまって構いません。しかし、刺身やイカを炒める場合には、皮をむきましょう。皮は縦に引っ張るのではなく、横方向に引っ張って円状にむきます。

また、乾いたペーパータオルなどで皮を掴むことで滑りにくくなり、簡単に皮むきができます。げそを使いたい場合には、包丁で吸盤をこそげ取ります。吸盤にはさまっている小さな軟骨が取り除かれるため、食感がよくなるのです。

イカは、松笠切りをするといいでしょう。松笠切りとは、イカやあわびなどを調理する際に用いられる切り方です。松笠切りをすることで、味がしみ込みやすくなったり、イカの身が丸まりにくくなったりします。

松笠切りは斜めに切り込みを入れますが、この際皮がついていたほうに切り込みを入れることがポイントです。

いかを使った料理画像

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