2019.05.08
水産

ホヤとはどんなべ物?特徴や栄養素をチェックしよう

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ホヤの画像1

複雑な風味と食感が特徴のホヤ。名前は聞いたことがあっても、どんなものか分からないという人も多いのではないでしょうか。

そこで今回は、ホヤとはどんな食べ物なのか、美味しい食べ方や旬はいつか、また栄養素などを詳しく紹介します。

そもそもホヤとは?

ホヤの見た目は一見すると貝のように見えることから、貝の一種だと思っている人も多いのではないでしょうか。

一部の売り場などでは「ホヤ貝」などと記載されていることもあるため、誤解している人も多いですが、ホヤは貝ではありません。

生物学的にいうと、ホヤは尾索動物(びさくどうぶつ)と呼ばれる動物で、大きく分けると脊索動物の一種です。

脊索動物とは、トカゲやヒトなどの脊椎動物と、ヒトと近縁の原索動物を合わせたもので、生物の分類上はヒトに近い海の動物です。


尾索動物の特徴は、幼生期にオタマジャクシのような形態をしていることで、成体になるまでは海を回遊しています。成体になると、海底や岩場に固着し、プランクトンをろ過しながら成長していきます。

入水口と出水口を持ち、海水を取りこんでプランクトンを食べ、排出することで生活するのが特徴です。

生物学的にホヤの仲間は世界中に2300種類もおり、そのうち百数十種類が日本に生息しています。

もっとも、食用とされるのはほんの一部の種類だけであり、日本では「マボヤ」と「アカホヤ」(エゾボヤ)の2種類です。特に、マボヤは東北の市場で主に流通しており、天然ものと養殖ものの2つがあります。

ホヤは外側の殻が赤黄色で丸く、でこぼことした凹凸があることから「海のパイナップル」とも呼ばれています。また、ホヤは青森県や宮城県といった三陸沿岸部では古くから食用とされており、刺身や加工食品がたくさん生産されています。

甘み、苦味、塩味、酸味といったさまざまな味が混ざり合う複雑な風味がホヤの特徴で、一度食べたらクセになる味です。

ホヤの画像2

ホヤのおいしい食べ方

ホヤは全身を覆う被嚢(ひのう)と呼ばれる殻と中身に分けられます。基本的に食用となるのは中身の部分で、内蔵や排泄物を処理して身の部分を食用とします。

赤黄色で南国の果実を思わせる殻の部分は3~4年かかって成長するため、食用となるまでにある程度の年月が必要です。

しっかりと成長したホヤは人間のこぶしぐらいの大きさになり、身も大きくなります。

ホヤの食べ方は新鮮なものであれば刺身、時間が経ったものは茹でたり、塩辛にしたりして食べるのが一般的です。

ホヤは時間が経つと独特の磯臭さが増すため、美味しく食べるのであれば新鮮なものを食べるのがポイントです。

醤油や三杯酢につけて食べたり、このわたと合わせて塩辛にして食べたりすると美味しく食べられます。

一般家庭や地元のお店ではホヤの中の水と一緒に出されることもあり、新鮮なホヤを丸ごと楽しむことができます。

ホヤは中に多くの水分を含んでおり、上手く捌かないと中の水分が飛び散るので注意が必要です。

ホヤを捌くときは、頭部の入水口と出水口を切り落とし、縦方向に包丁を入れて殻と中身の間に指を入れると中身が綺麗に取れます。

中身には内蔵と排泄物が一緒になっているため、内蔵と排泄物を取り除き、綺麗に洗い流せば食用の身の部分がとれます。

刺身にしたり、燻製にしたりとホヤの食べ方はたくさんあり、三陸沿岸の地域ではホヤでたまごをくるんだ「ホヤたまご」なども美味しい食べ方の1つです。

ホヤを使った料理の画像

ホヤの栄養素

独特の見た目と味をしているホヤですが、栄養素が高い食品でもあります。
ホヤにはリン・鉄・亜鉛といったミネラルが豊富に含まれており、疲労回復や集中力を高める効果があるといわれるグリコーゲンは牡蠣の約2倍あります。

その他にも成人病の予防効果があるとされるタウリンや鉄分、ビタミンB12といった栄養素も豊富に含まれており、美味しいだけでなく美容や健康にもよい食べ物です。

ホヤにはプラズマローゲンという成分が含まれていますが、この成分は東北大の研究によってアルツハイマー症の予防効果があるという発表もされています。

ホヤは消化、吸収が早く優秀な動物性たんぱく源です。ホヤが多く含んでいるビタミンEやビタミンB12は脂溶性ビタミンといい、強い抗酸化作用があります。

体内で発生した活性酸素の活動を抑え、不飽和脂肪酸の酸化を防ぐため動脈硬化や心筋梗塞といった血液や血管の病気にも役立つとされています。

ホヤの画像3

ホヤの主な産地と旬の時期

ホヤはもともと青森や宮城、岩手といった東北地方の漁師の間で食べられていた食材で、一般的にはなかなか出回らないマイナーなものでした。

しかし、宮城県で養殖が始まったことから今では全国的に食べられるようになっています。
ホヤの一種であるマボヤは全国に生息しており、中でも牡鹿半島や男鹿半島より北の東北地方でよく獲れます。

岩手や宮城などの三陸沿岸、北海道などで盛んに養殖が行われており、ホヤの主産地です。マボヤの他に食用とされるアカボヤはそのほとんどが天然物で、主に北海道が産地となっています。

ホヤは海水中のプランクトンを主食とし、海水を体内に入れては出すことを繰り返しているため、水質によって味が変わります。獲れる産地によって風味が変わるのもホヤの特徴です。

ホヤの漁期は4月から10月までで、それ以外の季節はホヤの産卵期にあたります。気温が暖かくなると中の身が厚くなり、旨味が増すといわれており、特に美味しくなるのが5~8月頃に獲れるホヤです。

ホヤには独特の磯の香りがありますが、鮮度が良いものはこの臭みも少なく食べやすくなります。

ホヤの旨さをしっかりと味わうのであれば5~8月に獲れた鮮度の高いホヤを食べるのが一番です。

ホヤの画像4

独特な風味が癖になる!ホヤをメニューに取り入れよう

五味のすべてを持っているホヤは好き嫌いが分かれる食材です。

その独特の風味を生かすも殺すも料理人の腕次第になります。新鮮なホヤを上手く調理すれば、多くのお客様に満足してもらえるホヤ料理が提供できるかもしれません。

もっとも、新鮮なホヤを入手するのは都会の飲食店にとっては難しい問題になるのではないでしょうか。

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