2019.06.20
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いぼ無しからサンドイッチ用まで!きゅうりの種類や主な生産地

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きゅうりといえば、サラダや漬物などの食べ方が知られています。ただし、ポピュラーではないものの種類は多く、ほかの料理にも使えることが可能な食材です。きゅうりの種類やレシピを覚えれば、新しいメニューづくりに役立つでしょう。この記事では、きゅうりのバリエーションや栄養素、主な生産地などを解説していきます。

インドでは3000年以上も前から栽培されていた?

きゅうりは日本人の食卓に欠かせない野菜のひとつです。ところが、原産地は意外にもインド北部からネパールにわたるヒマラヤ山麓です。なお、ジャンルとしてはウリ科キュウリ属の「野菜」に分類されます。きゅうりは生食が広まっており、サラダや漬物が人気です。
また、冷麺など、生のまま具材として用いるメニューもあります。きゅうりの旬は6~9月ごろです。ただし、旬は種類によって微妙にずれています。
それでも、基本的には1年中おいしく食べられる野菜だと言えるでしょう。さらに、きゅうりは栽培の難易度がそれほど高くありません。家庭菜園でも育てやすいので、趣味でつくっている人もたくさんいます。

きゅうりの歴史は長きにわたります。起源であるインドでは約3000年以上前から栽培されていたとの説が有力です。やがて、14世紀に入ってからきゅうりはヨーロッパに伝来しました。日本への伝来はさらに早く、10世紀にはすでに海を渡っていたとする研究もあります。
ただし、この点に関しては諸説が入り乱れています。また、伝来してからきゅうりが栽培されるようになるまで時間もかかりました。きゅうりが普通に農家で生産されるようになったのは、江戸時代後期からです。ちなみに、江戸時代までの漢字は「黄瓜」であり、やがて中国名の「胡瓜」が当て字にされるように変わりました。

きゅうりには栄養がないというイメージは間違い

多くの人がきゅうりについて「栄養素が低い」「水分ばかり」と評しがちです。
しかし、実際にはきゅうりにも豊富な栄養素が含まれています。たとえば、カリウムとβカロテンを大量に摂取できるのが特徴です。カリウムはミネラルの一種であり、不足すると筋肉痛や便秘を引き起こすこともあります。
また、βカロテンはビタミンAに変換される栄養素です。皮膚や粘膜を維持する役割を担っており、体の調子を整えてくれます。これらの成分を含んだきゅうりは「栄養素が低い」とまで断言できないでしょう。

そのほか、生のきゅうりにはさまざまな種類の栄養素が含まれています。
以下、きゅうり100gあたりの量を記載していきます。
カルシウムが26 mg、リンが36mg、レチノール当量が28mcg、葉酸が25mcg、ビタミンKが34mcg、イソロイシンが28mgです。リシンは39mg、フェニルアラニンが30mg、アラニンが36mgです。
グルタミン酸は240mg、カリウムは200mg、βカロテンは330mcgです。ロイシンが46mg、バリンが34mg、アルギニンが42mgでした。アスパラギン酸は59mg、グリシンは36mg、セリンは42mgです。
つまり、きゅうりは多種多様な栄養素を同時に摂取できる食材です。

目的別に使い分けができる!きゅうりの種類

一般的に「きゅうり」と呼ばれているのは、いぼがあって緑色の細長い野菜です。
ただし、日本国内では、ほかにもさまざまなきゅうりが手に入るので種類ごとの特徴を覚えておきましょう。まず「四川きゅうり」は、ルーツを中国に持つきゅうりです。四葉(ようすう)と呼ばれている種類を改良し、日本人向けの性質にされました。
いぼが多いうえに鮮度を保つのが難しいので流通量自体は多くありません。それでも、漬物に使いやすいのは大きなメリットです。

四川きゅうりの原型である四葉きゅうりは昭和初期、韓国を経由して日本に入ってきました。四葉きゅうりも流通は盛んと言えません。しかし、独特の感触が心地良く、漬物向けの種類です。同じく、昭和初期から栽培がされるようになったのは「加賀の太きゅうり」です。
金沢市でつくられるようになってから、今では「加賀伝統野菜」に数えられるまでの知名度を誇ります。主に、温室やビニルハウスで育てられています。

勾配によって新たな品種が生まれるケースも少なくありません。「いぼ無しきゅうりフリーダム」は欧米の品種と日本のきゅうりの勾配によって誕生しました。きゅうりにしてはいぼが少なく、食べやすいのが魅力です。そのためサラダに用いられているほか、丸かじりにも向いているでしょう。
サイズがユニークなきゅうりが「ラリーノ」です。長さが10センチ前後のコンパクトな品種です。調理の際、一気に使い切れるのでサラダやサンドイッチに用いるのが理想的です。

逆に、サイズの大きいきゅうりが「半白節なりきゅうり」です。原種は江戸時代以前に輸入された華南系きゅうりだといわれています。
通常のきゅうりよりもみずみずしさがあり、ぬか漬けとの相性が優れています。大阪を中心につくられている「毛馬きゅうり」も形が独特です。細長いので、見分けやすい形状です。水分はそれほどないものの、歯ざわりが快感だとされています。奈良漬によく使われるのは毛馬きゅうりです。

漬物や加工品に使われている四川きゅうりや毛馬きゅうりを普通のきゅうりと思って食している人も多いでしょう。
しかし、きゅうりは用途によって種類が使い分けられており、奥の深い食材です。

家庭栽培もしやすい!きゅうりの主な生産地

全都道府県において、きゅうりの生産量が高いのは宮崎県、群馬県、埼玉県などです。
なお、2017年度の調査データによると、1位の宮崎県で約6万7000トン、2位の群馬県で約5万5000トン、3位の埼玉県で約4万6600トン、4位の福島県で約4万トン、5位の千葉県では約3万4000トンの生産量を記録しています。

日本国内のあらゆるところで、きゅうりはつくられています。ただ、インド発祥の野菜ということもあり穏やかな気候を好む傾向があります。極端に温度が高い地域も、低い地域もきゅうりの大量生産には不向きです。
それでも、ほかの野菜と比べると大きな手間はかからないので、ほとんどの地域で問題なく生産されている野菜だと言えるでしょう。